【訃報】鹿野司

今日、スラドを見ていたら、サイエンスライター鹿野司が亡くなったという投稿があった。

 

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私が鹿野司を知ったのは、パソコン雑誌「LOGiN」の連載だった気がする。

後に、単行本化して、購入した記憶がある

オールザットウルトラ科学 (Login Books) | 鹿野 司 |本 | 通販 | Amazon

 

また、「サはサイエンスのサ」も購入した

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「LOGiN」の連載をリアタイで読んでいたのは高校生の時で、記事の内容がその頃の自分にとって高度だったので、憧れた思い出がある。

 

その後、理系の大学に進み、数理系の学問に詳しくなると、鹿野氏の著作について「う~ん」と思えるような記載が多いことに気付く。

 

兎にも角にも、鹿野氏の著書は自分にとって自然科学に興味を持たせてくれたきっかけの一つであることには間違いない。

 

ご冥福をお祈りします。

 

 

「サスペリアPART2」を見た

予備知識(というほどでもないけど)

イタリア語の原題は「Profondo Rosso」、英語訳は「Deep Red」、日本語訳は、「赤い深淵」(あるいは「深紅」か)

すなわち、日本公開の「サスペリア」とは何の関係もない」。確かに関係ないが、実は若干ある(「サスペリアとの関係」参照)。

(作品世界もまったくつながりがなく、前作のようにオカルト的要素もない。)

さらにいうと、こちらの作品の方が「サスペリア」(イタリア・日本では1977年公開)よりも公開が古い(イタリアで1975年公開)。

サスペリア」との関係

フェノミナ』にも出ていたのか…(これもダリオ・アルジェント監督)。
今度借りて見ようか。(昔見たけど)

感想

(あとで書く)

 

 

Dario Argento「サスペリア」

本日、Dario Argent監督の「サスペリア」(1977年日本公開)のDVDをゲオから借りてきて鑑賞した。

 

 

内容については全く知らなかった。以前から見たいと思っていたので、今回借りてみた。

 

あらすじはここでは書かない。映画をずっと見ながら全貌がはっきりつかめず、「カルト教団ものかな?」と推測していたが、その推測は外れた。

映画はサスペンス映画ではなく、ホラー映画のジャンルに入る。こっちが勝手に推理・サスペンス物とタイトルから思い込んでいただけだが。この映画の公開当時は自分は小学生で、TVのCMの印象が非常に強く、ホラー映画とは思っていなかった。

映画の中でヒントは与えられるので様々な推測はできるけど、最後のあたりで提示される「魔女」というのが理解不能、というかどう捉えていいのかわからなかった。

 

ネットで調べると、この後のシリーズというか続編で明らかになるということなので、今はあまり詳しくならないでおこうと思う。

 

それよりも、この映画の非常に印象深いのは、「ホラーらしくない」ということである。BGMや画面作りは恐怖を盛り上げようとしているのだろうか?不安感を煽っているようには自分は感じられなかった。寧ろ、俗っぽく言うと非日常な空間を作り上げるのに効果を挙げているように感じた。

 

この映画を前評判とか知らずに見たら果たして気に入っていたかどうかわからない。面白いと感想を述べる映画というよりは、雰囲気と画面の美しさを堪能できた映画だった。

W・B・キイ「メディア・セックス」

今日、W・B・キイ「メディア・セックス」(リブロポート・1989年発行)を読み終えた。

メディア・セックス

メディア・セックス

購入したのは前世紀で、読まずに本棚に入れてずっと放っていた。2か月ほど前にとある事情で大量に書籍を処分しようと思い立ち、本棚に飾ってあった本を仕分けしていたところ、この本が目に留まった。捨てても惜しくないと思ったので、どうせ捨てるならということで、この際一通り読んでみた。

 

有名な本なので内容は説明するまでもないだろうけど、いわゆる「サブリミナル」について考察した本である。サブリミナルというと、映画のポップコーンの都市伝説が思い浮かぶだろうけど、この本は動画像に使われたサブリミナル手法ではなく、新聞広告やポスターなどの写真が主な対象である。著者はこれらの媒体には送り手側のメッセージ(多くが性的な連想を呼び起こすもの)が隠されているとし、消費者の潜在意識に働きかけていると主張している。巻頭には、「SEX」の文字が埋め込まれている(と著者が主張する)写真や、性器が隠されている写真が提示されている。これらの写真は、著者が指摘した位置に「SEX」の白文字や輪郭をなぞった線の書き込みがなければ、到底その位置に当該の文字列があるとは納得いかない例示ばかりである。仮に、その位置に当該文字列があったとしても、一般人が普段の生活で目にしたときに認識しづらい表記であるため、見る側の意識にどれほどの影響を与えるかは非常に疑わしいと思う。ただ、この本を読んで印象に残ったのは、著者の「SEX」という文字に対する拘りである。英語文化圏ではそうなのかもしれないが、「SEX」という文字に対する心理的影響を過大評価しすぎなのでは?という感想を抱いた(日本で「性」という文字を見ても大抵の人はなんともないだろう)。著者は、潜在意識や無意識へ多大な影響があると主張していて、ここら辺はこの本が出版された年(1976年)の時代背景もあると思う。今となっては、冒頭に挙げた映画のポップコーンやコーラの話も商品を売るための話題作りというのがバレているため、サブリミナルが意識下に影響を及ぼすというのは眉唾になりつつある。

 

この本がサブリミナルについて書かれているのは前以て知っていたため、価値のない本として読み飛ばそうと思って読んでみたのだが、読み進めてゆくうちに当初抱いていたイメージとは別の印象を抱いた。上にも書いたように、この本は写真や広告に「SEX」の文字を著者が半ば強引に見出して、それらの文字が見る者の潜在意識に影響をあたえるという主張を行っている。だが、この本の全般を通じて著者が述べているのは、「広告による現代人への影響」、「広告や芸術が及ぼす現代人の活動様式への影響」である。新聞や雑誌(ペントハウスやプレイボーイのような)、ロックのような現代音楽に包含された性や暴力の表現が人々の価値観や行動様式(価値観は同性愛、行動様式は購買行動など)に知らず知らずのうちに影響を及ぼしている、というのが著者の主張である。残念ながら、挙げられている例(社会事象や巻頭の図像など)に対する著者の解釈が現代からみると疑問符が付くようなものばかりなので、良書とは全く言えず、著者の結論(結論へ至る論理構成も含めて)も受け入れ難い。しかし、当初のイメージである「写真に「SEX」が隠されていてそれがサブリミナル効果をもたらす云々」のような疑似科学本では(単純にそう捉えてもいいかもしれないけど)ない。

 

今となってはこの本の内容も古いし、現代のあらゆる事象の説明にはそのままでは使うことはできないだろうけど、1970年代はこのような考え方が流行る余地があったことを知るだけでも有意義な本といえる、というのが率直な感想である。

Forbidden Planet

今日、映画「Forbidden Planet」(邦題:「禁断の惑星」)をDVDで視聴した。

たまたまレンタルが安かったので借りてみたが、この映画をなぜ見たかったのかすっかり忘れていました。

内容はというと題名から容易に想像できるとおり宇宙を舞台にした映画(当然ですが)。見始めると、広大に広がる宇宙を背景に円盤型(!)の地球の宇宙船が航行している画面が映ります。地球製の宇宙船が円盤型というのは結構珍しいかもしれない、と思いながら見続けると、その宇宙船は惑星アルテア4なる星に向かっていることが分かります。

なぜ向かっているかというと、20年前にその星に向かった宇宙船がいて、今回はその時の生存者がいるか調査に行く調査団であることがわかります(調査団といっても軍人っぽい方々で構成されていますが)。

その後、宇宙SFものとして映画は続いていきますが、最後の最後の方で、自分が見たかった理由の言葉が映画内で発せられます:

 

"Monster of Id"(イドの怪物)

 

「あぁ、そうだ、これで見たいと思ったんだっけ」

別に「イドの怪物」に興味があるわけじゃ全くないんですが、古いSFファン界隈で「イドの怪物」という言葉が出てきたりするので、何か重要な概念なのかなぁとおぼろげに思っていましたが、まぁそんな大層な概念じゃありません。フロイト精神分析エス(es)ですね。ラテン語とドイツ語の違い。字幕では「潜在意識の基本原理」となっていました。ただ、「怪物」は不要ですね。人間の顕在意識の奥底に眠る潜在意識の怖さみたいなのを表現しようと思ったのでしょうけど、どうかなぁという感じです。映画では、「イドの怪物」が(クレルの高度な文明の機械を通じて)実体化して宇宙船のクルーに襲い掛かってました。こういうのは、いくら文明が発達しても人間の「心」は変わらないという、古臭い考えがあるからなんだろうなぁと思います。

映画としては、1956年ということもあって、派手な効果音や音楽もアクションシーンもなく、落ち着いて見れました。見始めの頃は、ロボット「ロビー」がいつか暴走するんじゃないかと思って内心ドキドキしてましたが、「人間には逆らわない」ということを映画全体を通じて伝えてくるように感じました(最初は、前の宇宙船のクルーを殺したのはロビーでは?とも勘ぐったのですが杞憂でした)。

こういう映画をたまに見るのもいいと思います。

 

 

 

久々にダービーを当てた!

今年のダービーは当てました

 

1枠1番ロジャーバローズ 浜中俊騎手

 

例年、ダービーの一着馬は本命筋で決まるから、こんなに人気薄が来ることは期待してなかったので嬉しい!