Forbidden Planet

今日、映画「Forbidden Planet」(邦題:「禁断の惑星」)をDVDで視聴した。

たまたまレンタルが安かったので借りてみたが、この映画をなぜ見たかったのかすっかり忘れていました。

内容はというと題名から容易に想像できるとおり宇宙を舞台にした映画(当然ですが)。見始めると、広大に広がる宇宙を背景に円盤型(!)の地球の宇宙船が航行している画面が映ります。地球製の宇宙船が円盤型というのは結構珍しいかもしれない、と思いながら見続けると、その宇宙船は惑星アルテア4なる星に向かっていることが分かります。

なぜ向かっているかというと、20年前にその星に向かった宇宙船がいて、今回はその時の生存者がいるか調査に行く調査団であることがわかります(調査団といっても軍人っぽい方々で構成されていますが)。

その後、宇宙SFものとして映画は続いていきますが、最後の最後の方で、自分が見たかった理由の言葉が映画内で発せられます:

 

"Monster of Id"(イドの怪物)

 

「あぁ、そうだ、これで見たいと思ったんだっけ」

別に「イドの怪物」に興味があるわけじゃ全くないんですが、古いSFファン界隈で「イドの怪物」という言葉が出てきたりするので、何か重要な概念なのかなぁとおぼろげに思っていましたが、まぁそんな大層な概念じゃありません。フロイト精神分析エス(es)ですね。ラテン語とドイツ語の違い。字幕では「潜在意識の基本原理」となっていました。ただ、「怪物」は不要ですね。人間の顕在意識の奥底に眠る潜在意識の怖さみたいなのを表現しようと思ったのでしょうけど、どうかなぁという感じです。映画では、「イドの怪物」が(クレルの高度な文明の機械を通じて)実体化して宇宙船のクルーに襲い掛かってました。こういうのは、いくら文明が発達しても人間の「心」は変わらないという、古臭い考えがあるからなんだろうなぁと思います。

映画としては、1956年ということもあって、派手な効果音や音楽もアクションシーンもなく、落ち着いて見れました。見始めの頃は、ロボット「ロビー」がいつか暴走するんじゃないかと思って内心ドキドキしてましたが、「人間には逆らわない」ということを映画全体を通じて伝えてくるように感じました(最初は、前の宇宙船のクルーを殺したのはロビーでは?とも勘ぐったのですが杞憂でした)。

こういう映画をたまに見るのもいいと思います。